この記事でわかること
- 確定申告がどういうものなのか
- FXにかかる税金の種別は雑所得であること
- FXにおいて確定申告が不要なパターン
- FXにおける確定申告の書き方
- スマホでする確定申告の方法
以上の知識が得られ「FX始めたて」というあなたも「脱初心者」に近づけます。
年末になるとよく耳にする「確定申告」をご存知でしょうか?
確定申告は難しくないので、特別な知識がなくともできますよ。
ただ「難しそう」と思って悩んでしまう方は多いんです。
そこで今回は「FXの確定申告のやり方」や「スマホでできるのか」などについて詳しく解説していきます。
FXと確定申告について
まず、大前提として「FX(外国為替証拠金取引)を行っている場合」には「一定の条件」を満たすと「確定申告」という公的手続きが必要となります。
しかし、確定申告自体になじみがない人が圧倒的に多いため「どのようなものかわからない」という方が大多数を占めています。
そのため、ここでは「FXと確定申告について」下記の2つを解説していきます。
- 確定申告とは?
- FXにかかる税金の種別と税率
確定申告とは?
確定申告とは「1年間の所得(売上から経費を差し引いた金額)」をまとめ
- 所得に対しかかる税金
- 所得に対し収める税額
以上2つを計算し、国(税務署)に報告する「公的な手続き」のことをさします。
ここでいう1年間とは「1月1日〜12月31日まで」をさし、所得を得た年の「翌年2月16日〜3月15日まで」に手続きを行わなければなりません。
(※ 2月16日、もしくは3月15日が土日であった場合には時期がズレるため注意しましょう。)
確定申告が行えるのはこの期間のみであり、万が一期間を過ぎてしまった場合には
- 最高税率20%の無申告に対する加算税
- 最高税率14.6%の延滞税
- 「青色申告特別控除枠」が最大65万円から最大10万円にまで減額2年連続漏れた場合には、青色申告の承認取消以上のペナルティを受ける可能性があるため、注意してください。
また、ここに挙げたものは一例です。
以上のようなペナルティを避ける意味でも、しっかり期日を守って確定申告を行いましょう。
(※ 青色申告とは
不動産所得
事業所得
山林所得
以上のどれかがある人で、納税地の所轄税務署長の承認を受けた人が行う確定申告のことです。
フリーランスや個人事業主だけでなく、サラリーマンやパートなどの給与所得者であっても、上記に挙げた所得があった場合、確定申告の対象となりますので注意しましょう。
また、青色申告の承認を受けていない人はすべて「白色申告」となりますので覚えておいてください。)
FXにかかる税金の種別と税率
ここでは「税金の種別と税率」を少し詳しく下記の2つに分けて解説していきます。
- FXにかかる税金の種別
- FXにかかる税率
FXにかかる税金の種別
まず、FXで得られた所得は「雑所得」という分類にあたるため「申告分離課税制度」というものが適用されます。
「雑所得」とは、日本の税制上において以下のどの所得にも当てはまらない所得のことをさします。
- 利子所得:国債や預金などから得られる利子による所得
- 配当所得:株式の配当などから得られる所得
- 不動産所得:家賃収入などから得られる所得
- 事業所得:会社経営などから得られる所得
- 給与所得:会社から得られる給与の所得
- 退職所得:会社を退職する際得られる所得
- 山林所得:山林の売却益などといった所得
- 譲渡所得:株式や土地の売却益などといった所得
- 一時所得:賞金や保険の返戻金などといった所得
これらの税金を「明確に区別する」というのは難しいですが「個人が行ったFX」で得られた利益は「雑所得」となるため、このことさえ覚えていただければと思います。
つまり「FXなどで得られた所得は、確定申告が必須である」ということを示しています。
課税制度は、申告分離課税制度の他にも以下のようなものがあります。
1 総合課税制度:
所得を合算し課税する方法であり、会社員の給与所得や不動産家賃収入などがこの制度の対象となります。
2 源泉分離課税制度:
他の所得と合算せず、収入を得たタイミングで所得税を差し引く制度です。
利子所得や賞金などがこの制度の対象となります。
覚えておく必要はないですが「申告分離課税制度と何が違うのか?」などが分かれば、申告に際しての記入ミスや計上ミスといった間違いが減るため、手続きが比較的スムーズに進みます。
なので覚えておいて損はありませんよ。
FXにかかる税率
まず、FXの所得に対しかかる税率は
税率=所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%=20.315%
以上の式で求められます。
具体例
「FXから得られた所得が30万円だった」という場合の税金は
30万円×20.315%=6万945円
となります。
同様に「FXによる所得が100万円だった」という場合
100万円×20.315%=23万1500円
となります。
つまり、税率さえ覚えておけばFXでいくら稼いでいても計算ができますのでしっかり覚えておきましょう。
(※ 実際には基礎控除がつくため、税金はもっと安いです。)
式に含まれている「復興特別所得税」について以下で簡単に解説します。
FXにおける必要経費7選
FXで得られた利益を申告する際には「必要経費」となる部分を差し引いて計算することが可能となります。
必要経費を差し引けば、節税対策もできるうえ、税金を余分に払わなくて済みますのでしっかり押さえましょう。
具体的な経費にできる費用は下記の7つなどです。順に解説していきます。
(※ 下記はほんの一例です。)
- 通信費
- セミナー受講費
- 交通費
- 新聞、書籍費用
- 取引手数料
- PCやモニターなどの費用
- 住居にかかる費用
通信費
FXにおける必要経費1つ目は「通信費」です。
FX取引の際には
- Wi-Fi
- スマートフォン
といった機器の通信が必要となります。
そのため、利用した
- インターネットプロバイダーの料金
- 電話料金や本体代金
といったものは、基本的に経費として計上が可能となります。
毎日使っているものであり、積み重なればその料金も大きなものとなるため、計上すると比較的税金が安く済みます。
セミナー受講費
FXにおける必要経費2つ目は「セミナー受講費」です。
これは
- FX会社の開いているセミナー
- 第三者機関によるコンサルタント
などにかかる受講費のことです。
FX取引に関わっている場合には「取引を行ううえで必須の物だった」とみなされ経費としての計上が可能となります。
特に初めての確定申告の際、こうした費用は計上を忘れがちなので注意してください。
交通費
FXにおける必要経費3つ目は「交通費」です。
これは
- FXの専門家と会った際交通費がかかった
- 同業者と打ち合わせを行った際に交通費がかかった
- セミナー等に行く際、移動に交通費がかかった
といった際に発生したものをさします。
新聞、書籍費用
FXにおける必要経費4つ目は「新聞、書籍費用」です。
FX取引では情報が大事であるため
- 新聞を新たに契約する
- 書籍を新しく購入する
といった場合があります。
こうした場合の費用はFXにおける必要経費とみなされるため、計上が可能となります。
取引手数料
FXにおける必要経費5つ目は「取引手数料」です。
FXのトレードでは、使っているFX会社によりますが
- 取引手数料
- 口座入金手数料
- 口座出金手数料
などといった「各種手数料」が発生するケースがあります。
こうしたFXに関連して発生した手数料などは、必要経費としての計上が可能となります。
ただし、額によっては計算が細かくなるため、間違えないよう注意してください。
PCやモニターなどの代金
FXにおける必要経費6つ目は「PCやモニターなどの代金」です。
- PC
- モニター
といった電子機器の代金は「FXに必要だから買った」という場合、必要経費として計上が可能となります。
また、もちろんマウスやケーブルといった周辺機器も計上が可能ですので忘れないようにしましょう。
住居にかかる費用
FXにおける必要経費7つ目は「住居にかかる費用」です。
FXを行う場合、当然ながら「住居」が必要となります。そのため、家賃代なども経費として計上することが可能です。
家賃代は毎月かかるものであるため、かなり税金を下げることができます。そのため、忘れずに申請を行いましょう。
「これは必要経費として計上できるのか?」と迷った場合には「FXで利益を出すため、費用を出したかどうか」を基準に考えるようにしてください。
基本的に
「FXのために必要だったものもの=必要経費」
というのが大原則となりますので、迷ったら上記の原則に照らし判断を行うようにしましょう。
FXにおいて確定申告が必要な所得とは?
ここでは「FXで得た確定申告が必要な収入」にあたる部分として、下記の2つを解説していきます。
- 為替差益とは?
- スワップポイント」とは?
為替差益とは?
FXで得た確定申告が必要な収入1つ目は「為替差益」です。
「為替差益」とは、FXで得られる収入の大半を占めている「トレード」によって得られる収益のことです。
為替差益は「通貨の価格変動」によって得られるため「キャピタルゲイン(資産売却益)」という収益の分類にあたります。
簡単に説明すると
通貨を安く買い高く売って得た利益を為替差益、またはキャピタルゲイン(資産売却益)と呼ぶということです。
「スワップポイント」とは?
FXで得た確定申告が必要な収入2つ目は「スワップポイント」です。
スワップポイントとは、通貨ペアの金利差で得られる利益のことです。
通貨ペアとは「2ヶ国間の異なる通貨」を組み合わせたものであり、FXでトレードするのはこの「通貨ペア」と呼ばれるものとなりますので、覚えておきましょう。
スワップポイントは「インカムゲイン(資産保有益)」という収益の部類にあたり、日本語で「金利差調整分」という別名がつけられています。
スワップポイントも確定申告の対象となります。勘違いしやすいポイントなので注意しておきましょう。
FXの所得を求める式
FXの所得を求める式は
FXの所得=収入(為替差益+スワップポイント)ー必要経費
以上の通りです。
必要経費とは、上記に挙げた通り「収入を得るために必要だった費用」であるため
- PC代
- スマホ代
- 通信費
- 交通費
- 書籍代
- セミナー代
- 住居にかかる費用
以上のような費用が計上できる可能性があります。
ただし、これらは必ずしも計上できるとは限らないため、注意してください。
また、どんな出費も「FXで収入を得るのに必要な経費だった」とみなされれば「申告対象の所得」を大幅に減らせる可能性があります。そのため、可能な限り経費となりそうな出費の把握を行っておきましょう。
FXにおける確定申告のパターン
- FXにおいて確定申告が不要なパターン
- FXにおいて確定申告が必要なパターン
FXにおいて確定申告が不要なパターン
FXから収入を得ている場合「誰でも必ず確定申告が要る」とは限りません。
そのため、ここでは「FXにおいて確定申告が不要なパターン」として
- 会社員とその扶養家族
- 年金受給者
以上2つを解説していきます。
また、それぞれ「確定申告が不要となる条件」というのがありますのでしっかり確認しておきましょう。
会社員とその扶養家族
FXにおいて確定申告が不要なパターン1つ目は「会社員とその扶養家族」です。
FXの収入を得ている会社員であっても、確定申告が不要となる場合があります。
- 確定申告が不要となる条件
- 年末調整を受けていること
- 年収が2,000万円以下であること
FXを含めた給与所得以外の所得が年20万円以下であること
また、扶養家族は「FXにおける収入が38万円以下」であれば確定申告を行う必要がありません。
年金受給者
FXにおいて確定申告が不要なパターン2つ目は「年金受給者」です。
FXをしている年金受給者も会社員同様、確定申告が不要となる場合があります。
- 公的年金などを含めた収入が年40万円以下であること
- FXを含め公的年金以外の所得が年20万円以下であること
自分が該当しているのかをしっかり確認し、確定申告が必要なのかを見極めましょう。
もし、確定申告が漏れた場合にはペナルティが課されることもあるため、注意してください。
FXにおいて確定申告が必要なパターン
FXでは所得を得た場合、原則確定申告の必要がでてきます。
ただし、上記に挙げた通り「FXにおいて確定申告が不要なパターン」というのもありますので「自分がどちらに該当するのか?」というのをしっかり判断してください。
FXで確定申告が必要なケース
- 会社員などの「給与所得」を得たうえで、FXで年20万円以上所得がある
- 学生などの「給与所得がない」という方で、FXで年38万円以上所得がある
特に「給与所得がない方」でも、FXの収益が「38万円」を超えると確定申告が必要となるため注意してください。
また、一定の経費があっても全部差し引かれるとは限らず、税金がいくらになるかは基本的に分かりません。
そのため、上記に挙げたパターンに該当する方は、必ず確定申告してください。もし行わなかった場合には「ペナルティ」が課される可能性もありますので注意してください。
FXに限らず確定申告が必要なケース
- 給与による所得が年2,000万円超え
- 給与以外に得られる所得が年20万円以上ある
- 給与を2つ以上の会社などから得ている(FXは給与ではないです。)
- 住宅ローン控除が適用されている
- 医療費控除や寄付控除の適用がされている
- 配当控除の適用がされている
FXの利益が20万円未満だった場合にも、上記条件に該当していれば確定申告が必須となるため「自分が該当していないか」というのをしっかり確認してください。
FXにおける確定申告の必要書類
- FXの確定申告で必要な書類4点
- FXの申告書提出に必要な添付書類2点
FXの確定申告で必要な書類4点
FXの確定申告で必要な書類は
- 申告書B(第一表、第二表)
- 申告書第三表(分離課税用)
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
- 所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用) (※FX損失の繰越控除を使う場合に必要)
以上の4点です。
特にこれらの書類のうち
- 「申告書B(第一表、第二表)」
- 「申告書第三表(分離課税用)」
- 「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」
以上の3点がFXの確定申告に必須の書類となります。
ポイント
損失をだしていた場合には、3年間損失を繰越できる「繰越控除」と呼ばれる制度の利用ができます。
利用するためには上記に挙げた「所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」も必要書類となるため、損失のある方は覚えておいてください。
また、FXに限らず確定申告に必要とされる書類は、それぞれ
国税庁HP 確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書等
からダウンロードが可能となっています。忘れずに確認しておきましょう。
FXの申告書提出に必要な添付書類2点
FXの申告書提出に必要な添付書類は
- 年間取引報告書(年間損益報告書)
- 給与所得の源泉徴収票
以上の2点です。
これらの書類を上記の書類と分けた理由は
- 必要のない人もいるから
- ダウンロード先が違うから
以上の2点です。
「年間取引報告書(年間損益報告書)」については、損失のある人にしか必要がなく、ダウンロードも「利用中のFX会社ホームページから」となります。
また「給与所得の源泉徴収票」は会社勤めの方以外必要がなく、当たり前ですがこれはダウンロードで入手できません。なぜなら、基本的に「勤め先の会社から発行されるもの」であるからです。そのため、必要な方は会社に相談し、入手してください。
上記の通り、確定申告には
- 誰であろうと必須な書類
- 人によっては必須となる書類
以上の2種類が存在しています。
そのため「自分に必要な書類が何なのか」をしっかり確認し、確定申告に臨んでください。
FXにおける確定申告の書き方
- 申告書B(第一表・第二表)
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
- 申告書第三表(分離課税用)
- 年間損益報告書
- 給与所得の源泉徴収票
申告書B(第一表・第二表)
申告書B」とは、所得の種類に関係なく誰でも利用が可能な申告書です。対となる申告書に「申告書A」というものがありますが、これは主に会社員が使用するものです。
申告を行いたい所得が
- 給与所得
- 公的年金
- 雑所得
- 配当所得
- 一時所得
などの場合「申告書A」が該当します。
FXの確定申告に必要な申告書Bの第一表は、以下の書類です。
この書類では
- 収入金額等
- 所得金額
- 所得から差し引かれる金額
- 税金の計算
- その他
以上の順に該当箇所を記入していきます。
会社員の場合、源泉徴収票を確認しながら記入するのがおすすめです。
また、FXの所得がある方は
「税金の計算」(26)=「申告書第三表」(86)
となるため記入する必要がありません。
第二表は以下の書類です。
ここでは上から2番目の「所得の内訳」の「源泉徴収税額」を記入していきます。
もし「源泉徴収票で控除の記載があった」という場合には、右上の「所得から差し引かれる金額に関する事項」の「社会保険の種類」に「源泉徴収票の通り」と記入してください。
先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」には、FXで得た所得に関する事項を記入していきます。
書類と書き方の例は以下です。
- 書類の左上側枠外に見える「雑所得用」を○でかこい、氏名を記入する
- 「取引の内容」の欄にある「種類」に「外国為替取引」と記入し「決済の方法」の欄に「仕切」と記入する
- 「総収入金額等」の欄にある「差金等決済に係る利益又は損失の額」に、FX会社から発行された「年間損益報告書」に記載されている「損益合計金額」を記入する
- 「必要経費等」には必要経費の項目とその金額を記入する(例:通信費 5,000円)
- 「総収入金額」の計から「必要経費等」の計を引き「所得金額」に記入する
申告書第三表(分離課税用)
「申告書第三表」には「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」に記入した内容を転記します。
申告書第三表は以下の書類です。
出典:国税庁 申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧(申告書所得税)
「申告書第三表」記入の手順
- 「収入金額」の欄にある「先物取引」に対し「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」に記入した「所得金額」を転記する
- 左下「税金の計算」の欄にある「総合課税の合計額」へ「申告書B第一表」の(9)「所得金額」を転記する
- 右上「税金の計算」の欄にある税額を計算し記入する
転記ミスなどがないよう注意してください。
年間損益報告書
「年間損益報告書」とは「FX会社が、FXトレーダーの口座における損益を計算しまとめている書類」をさします。この書類はあくまで「FX会社」が発行するものであるため、書類の仕様や名称が各FX会社ごとに異なります。
また、受け取り方法なども異なります。一般的には「FX会社の個人ページ」などからダウンロードができますが、もし分からなければFX会社へ確認しましょう。
「年間損益報告書」は、「先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書」や「申告書第三表」の記入に際し、必要となる書類ですので用意しておきましょう。
また「記入内容が正しいか」を確認するうえでの「添付書類」としても必要となりますので、用意しておいてください。
給与所得の源泉徴収票
会社員として働いたことがある場合には「源泉徴収票」を見たことがあると思います。
この票中に記載がある
- 給与額
- 社会保険料
- 保険料の控除額
などを申告書Bに転記する必要があります。
また上記で紹介した「年間損益報告書」と同様に「記載内容の正しさ」を確認する「添付書類」としても必要となります。
書類に不備などがあった場合は、基本的に税務署から連絡がくるため、見逃さないよう気をつけてください。
FXの確定申告は電子申請もできる
現在では「書類をダウンロードし、税務署へ持参もしくは郵送」といった手順を踏まずとも「電子申請」という方法で申請が可能となっています。
具体的に説明すると
個人番号カードの「公的個人認証サービスに基づく電子証明書」
の取得が済んでいれば「e-Tax」というもので申告が可能です。
「e-Tax」とは「確定申告に使う申告書をネット上で作成し、税務署へオンラインで提出できる」という行政サービスのことです。
上記に挙げた「公的個人認証サービスに基づく電子証明書」の取得方法が分からないという方は、近隣の地方自治体に電話などで問い合わせることをおすすめします。
スマホでする確定申告の方法
この「確定申告書等作成コーナー」は、スマートフォンの機種に関係なくいつでもアクセスが可能となっています。
しかし、利用できる条件があるため注意してください。
以下では条件について解説していきます。
スマホから確定申告を行う場合の条件
スマホから確定申告を行う場合の条件は「給与以外の収入がないこと」です。要するに「スマホから確定申告したい」という場合には「副収入がない会社員でなければ不可」ということになります。
また以下の1つでも該当する方は、スマホから確定申告ができませんので注意してください。
- 複数の会社から収入を得ている場合(源泉徴収票が2枚以上ある場合)
- 勤務先で年末調整が終わっていない、または行っていない場合
- 生命保険、国民年金、健康保険料の控除を利用したい場合
- 医療費控除、寄付控除を利用していない場合
確定申告作成コーナーを利用する場合には「申告内容に関する質問」という画面でいくつか質問に回答しなければなりません。
回答は「はい」か「いいえ」の2択となっています。また、スマホからの申告が不可という場合には「PCからご利用ください」とアラートが表示されます。
スマホで確定申告書を作成する前に
「給与以外の収入がないこと」の条件に当てはまる方は、確定申告をスマホから作成できます。
ただし、サービスを利用する前に
- 利用者識別番号
- 暗証番号(パスワード)
以上の2つを取得しなければなりません。
まだ持っていないという方は、e-Taxのホームページ「開始届出書の作成・提出」にアクセスし発行申請を行ってください。
スマホで確定申告書を作成する手順
出てきた画面に
- 利用者識別番号(ID)
- 暗証番号(パスワード)
以上の2つを入力するとログインが完了します。
ログインが完了したら、画面に表示される指示に従い
- 1年間の給与
- 所得控除
- 住宅借入金(住宅ローン)
といった項目を正確に入力してください。
この入力の際に中断してしまうと
- 「データの保存」
- 「パソコンへの転送」
といったことができなくなるので、入力は一気に行ってください。
スマホで作成した確定申告書の提出方法
スマホで作成した確定申告書の提出方法には
- 書面を郵送または持参で提出する方法
- 電子申告(e-Tax)を使いオンラインで提出する方法
以上の2種類があります。
スマホで申告書の作成ができたのであれば、オンラインで提出できる「e-Tax」の利用がおすすめです。
ただし、スマホで電子申告(e-Tax)を行う場合には
- マイナンバーカード
- マイナンバーカードを読み取れるスマホ
以上の2つが必要となります。
また「スマホの機種が対応しているかは「地方公共団体情報システム機構 対応機種一覧」から確認ができます。もし「スマホが電子申告に対応していなかった」という場合には、確定申告書の印刷を行い、税務署へ郵送する方法をとるのがおすすめです。
また、切手や封筒、プリンターなど申告書の郵送に必要なものはコンビニですべてそろうため、おすすめはコンビニですべて完結させることです。
また「税務署に直接持っていきたい」という場合には、締め切り間際に行かないようにしましょう。締め切りが近づくと、税務署は大抵混雑しているため、早めの準備がおすすめです。
FXの確定申告における節税ポイント3選
- 繰越控除の活用
- 源泉徴収額の記入
- 必要経費の確認
繰越控除の活用
FXの確定申告における節税ポイント1つ目は「繰越控除の活用」です。
FXには「発生した損失を3年間繰り越せる制度」が存在しています。
そのため「所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用)」という書類も合わせて提出することで、繰越控除が受けられ節税が可能となります。
また
- FXで損失がある
- 給与所得、公的年金以外の所得は年20万円以下
という条件がそろっている場合、確定申告は不要となります。
しかし、上記にあげた通り、FXでの損失は繰り越せるため損失がでているときこそ、確定申告を行った方がお得です。
しかし、繰り越しを行った場合には「前年にでた100万円の損失と相殺(損益通算)」という処理が行われ「課税される所得」がなくなります。
そのため「損失がでた場合にも確定申告するのがおすすめ」というわけです。
また例になぞらえると、この制度は利益の総量が損失額の「100万円」を超えるまで「3年以内」は毎年活用することが可能です。
そのため、損失がでたときこそ、確定申告を行ってください。
源泉徴収額の記入
FXの確定申告における節税ポイント2つ目は「源泉徴収額の記入」です。
会社から給料をもらいつつFXを行っている兼業の方は、源泉徴収された金額を「申告書B(第一表)の(44)」に忘れず記入してください。
必要経費の確認
FXの確定申告における節税ポイント3つ目は「必要経費の確認」です。
FXにおいては
- セミナー参加費
- 書籍代
- 通信費
以上の費用などが経費となります。
経費計上を怠るとその分、税金も高くなりますので注意してください。
よくある質問
- 申告書B(第一表、第二表)
- 申告書第三表(分離課税用)
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
- 所得税の確定申告書付表(先物取引に係る繰越損失用) (※FX損失の繰越控除を使う場合に必要)
- 年間取引報告書
- 給与所得の源泉徴収票
FXで損失をだしている場合は繰越控除の活用です。
また、源泉徴収額を漏れなく記入することや、必要経費の確認を行うといったことも節税につながります。
まとめ
「【2022年版】FXの確定申告のやり方を徹底解説!スマホでもできる?」をご閲覧ありがとうございました。
この記事で覚えてほしいこと
- FXで得られる所得は雑所得という分類であること
- 確定申告では必要経費の計上が大事であること
- FXの所得=収入(為替差益+スワップポイント)ー必要経費
- 損失がでている時こそ確定申告が大事であること
しかし、焦らず着実にやれば難しいことはないので、落ち着いて手続きを行いましょう。